私は、機械。
所詮は、機械。
そう言われ、蔑まれ、人間よりもずっと格下に見られている。
「…機械だろ?人間には、かなわねーよ。」
「やっぱり、人間だよなっ!」
そんな言葉を聞くたびに、私は心細くなる。
この世界に、私の味方なんて、いないんじゃないか。
私なんて、存在しなくても…っ!!
「…ちゃん、めーちゃんっ!!」
はっ、と顔を上げると、よく知った顔。
「…大丈夫、めーちゃん。落ち着いて…。」
「…カイ…ト。」
カイトが私を抱きかかえるようにしながら、背中をさすってくれる。
私がいたのは、いつも歌を歌っているスタジオ。
今日は、確か…。
「めー姉、どうしたの、急に!」
「めいこ姉。」
「メイコ姉、大丈夫…?」
「…うん、大丈夫だよ、ありがとう、リン、レン、ミク。」
「よかった、心配したんだよ。」
「心配かけて、ごめんね、みんな――」
……あれ、カイトが、近い…っ!!
「…?めーちゃ、」
「…離れろぉっ!!」
力を込めて思いっきり、殴った。
殴り飛ばした。
カイトは仰向けに倒れると、
「…ひどいよぉ、めーちゃん…。」
頬をさすりながら起き上った。
「あ、あんたが悪いのよっ!!」
くすくす、と妹たちが笑う。
今日も、私たちの平和な時間は過ぎて行く。
私は、一人じゃない。
みんながいるから、大丈夫。
メカ
(僕も、めーちゃんの味方だよ。)(…馬鹿。)
あとがき
ついに、やってしまいました、お題…っ!
いつかはやると思っていましたが。
さて、今回は。
メカ、というお題でした。
ですが、メカ、といわれてもいまいちインスピレーションが湧かな(ry
というわけで、機械に脳内変換。
そして、シリアスでした。
…あれ?
甘くするつもりだったのに…。
前半は、シリアス、後半は出来る限り甘くしたつもりです。
ちなみに、スタジオにみんなが集まっていたのは、
みんなで歌う歌、だったからですね。
…そ、そのまんま…。
家族設定では、カイト、メイコ、ミク、リン、レンの5人だけです。
…お題、頑張りますっ!
7/25 凍都